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2007-03

いつもおそばに。

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東京出張四日目。

ボクの究極のそば屋は「神田まつや」。
それから、浅草「並木薮」が双璧。
近年のそばブームで新たな実力派もたくさん台頭してきているけれど、そば屋とそば屋酒の悦びは、そばだけでもない。つゆだけでもない。酒肴だけでもない。そのすべてと、やはり空気感、たたずまいなんだ。
それは、多分に時間と関係が深い。
演出や努力だけでどうにでもなるものではない。
もちろん、お勘定とのバランス感覚も絶対に必要だけど。

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そんな中で、最近、このビッグ2を脅かすくらいにお気に入りなのが、吾妻橋のたもと近く、その名もそのまま、吾妻橋薮である。

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休みの日の昼。
ひとりぼっちかお気に入りの相手とふたりぼっちがいい。
ゆるゆると時間にもてあそばれながら、ちびちびとたしなむ。
でも、次第にちびちびではなくなってしまうので、なかなかむずかしい。ぐびぐび、になってしまうと、そば屋酒は、がぜん、だらしなくなってしまう。そこはやっぱり、やせ我慢が必要なのだ。それがむずかしい。

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そば屋で飲む酒が一番うまいと思っている。
もちろん、そう思っている粋人は多いでしょう。
ボクの場合、
そば屋で酒を飲む、ではなく、酒はそば屋で飲む、と言いたい。

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この嬉しい時間を共有できる人は、
そうたくさんはいない。

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純喫茶。

じゅん


きっかり3週間、更新をさぼってしまいました。

最後に日記を書いて、そのまま東京出張へ。会う人、会う人「インフルエンザ関係者」で、一週間の滞在の最後には、どうやら「もらって」しまったようで、帰り着いてダウンしつつも、東京へ旅立つ瞬間まで書いていた雑誌原稿の校正が出てしまい、病床で原稿をチェックしたり、関係各位に確認をとったりで、最悪でした。

東京滞在の二日目。
内モンゴル人バト君との待ち合わせまで時間があったので、久しぶりに池袋東口界隈を散歩したあげく、看板に感動して、ああ、何年ぶりでしょう!「純喫茶」に入りました。

ド◯ールや●ターバックス等の、安くて気軽でおいしいコーヒーを飲ませる店が世の中を席巻して、すっかり町の喫茶店から足が遠のいていたんだなあ。
「モーニングセットあります」の手書きのメニューも懐かしく見とれているところに、ウェイトレスさんがトレイにコーヒーを運んできます。小さなミルクピッチャーを掲げながら「ミルクはお入れしますか?」というこれも懐かしいひと言。純喫茶で繰り広げられる、こんなささやかなコミュニケーションをすっかり忘れていました。毎日毎日、同じ時間にやってくる人。町を見続けてきたマスターと、常連客の長年のお付き合い。そこには喫茶店文化とでも呼びたくなる何かがありました。ふと、浪人時代に毎日通ったJR大船駅近くの喫茶、薔薇館を思い出したりして…。

電話が手紙にとって代わり、さらにファックスや電子メールで便利になった世の中。でも、どこか無機質で、仲良しの間で交わされるの場合をのぞけば、たとえ一方通行であろうとも、相手に気持ちがあろうがなかろうが、大量におくりつけられる電子メールの山にあまりにも不感症になっている自分を忘れがちです。逆に言えば、たとえ相手の心に届いて欲しい気持ちをいっぱい詰めこんでみても、電子メールって、受け取った側にとっては、そのまま流してしまっても罪悪感をあまり感じなくてすむ、あるいは、実は感じてしまっている痛みを、相手に悟られずにやり過ごすことができるメディアなのかもしれません。仕事なんかの場合には、正面切って報告したくない場合に、便利に使われているような気がします。それが「面と向き合う」(たとえ距離があったとしても)人間関係を稀薄にしている気がしてなりません。

カウンターでキャッシュオンデリバリーの、今時のコーヒーショップとのギャップを思い浮かべながら、純喫茶でそんなことをとりとめなく考えていました。

三月八日の窓辺。

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雑誌「オトン」創刊第三号の記事執筆に追われて、この一週間ほどは2,3時間の睡眠が続いていた。今晩から東京出張なので、何としてもケリをつけておかなければならなかった。その間にも別件で赤井川の藤門弘さんを訪ねたりで、なかなか「それだけ」に集中することは難しい。

少し前のニュースで、この暖冬のために東京の櫻の開花が3月12日頃になるのではないかといっていたのを思い出し、かなりワクワクしていた。だって、出張の戻りがギリギリその辺りなので、もしかしたら横浜人だった頃にすら考えられないような早い櫻に逢えるかもしれないと思っていたからだ。

僕のいる小樽も、移住後15年にして、これほどまで早い雪解けを体験したのは初めてで(というか、こんなに積雪の少ない冬はという方が正しいか)、いたるところにアスファルトや場所によっては土や草も顔をのぞかせており、これも例年より少なくとも10日から2週間以上は早いだろう。すっかり頭の中は春モード突入で、東京の櫻を愛でる期待感が原稿執筆にも拍車をかけた。

ところが昨日から、ダムに空いていた小さな穴がどっと決壊したような大雪に見舞われ、すっかり雪景色に舞い戻った小樽の風景にため息をついていたら、今年最初の開花予想が発表されて、東京の櫻のお目見えは3月18日頃だそうだ!

なあんだ。それじゃあ無理だよなあ。
いっそ、そのまま東京に居続けたい衝動に駆られながら、
目の前の雪景色と見比べて、どんな衣類を用意していいか分からず、荷造りに惑う僕なのでした。

アリスファーム詣で。

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久しぶりに赤井川村のアリスファームへ、藤門弘さんを訪ねた。
昨年の冬、ロケの仕事で藤門さんの所有しているホテルドロームを撮影にお借りして以来だ。これまでも以前の所有者の代からドロームは使わせてもらってきた。でもまさか、あの、藤門さんがオーナーになり、仕事で藤門さんと口をきく機会があるなんて思ってもみなかった。

アリスファームがごく親しい人だけを招いて久々に開催した、クロスカントリースキー大会(大会と言っても前夜祭ですべてが燃え尽きる)に呼んでいただいてからちょうど2年経過したことになる。あのときは、興奮した。スペシャルゲストが、カヌーイストの野田知佑さん、作家の夢枕獏さん、モンベルの辰野勇さん。一緒に酒を飲み、クロカンスキーで山を行き、辰野さんのケーナを聴き、雪の中でたててくださったお茶をいただいた。

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今回、藤門さんに時間をもらったのは、とある人からの頼まれごとが主な用件だった。でも、短い時間ならと言われていたのに、2時間以上もゆっくりお話ができたのをいいことに、昨年、一昨年と訪れた内モンゴルの話をしながら、いつか旅の企画で知恵をお借りしたい、などと大きな話をしてしまった。藤門さんは、「ボクはすれっからしだから」と言って笑った。あんまりいいことではないんだけど、と前置きして、「ずいぶんいろいろなところに行って、いろいろなものを見てきたから、どこかに連れて行ってもらっても素直に感動できなくなってる部分があるんだよな」。藤門さんの大きな目がニッと細まる。

そりゃあそうだろう。こちらは精一杯の経験談を披露しているのに、それに反応した藤門さんの目線は、かつて訪れたことのある土地の話とともに地球中を駈けめぐった。自らNHKに企画を持ち込んで、BSでドキュメンタリー番組になった外モンゴルの40日紀行のエピソードを伺った際には、こちらの体験はあまりにちっぽけに感じられ、この人に語ったボクなりの思いは陳腐にすら思えた。それでもこの人と話せている喜びがひたひたと押し寄せてきたのだが…。

不覚にも手ぶらでアリスファームを訪れたボクに、藤門さんはブルーベリーの土産を持たせてくれた。物書きの大大々先輩に返すものがないボクは、自分の書いている雑誌オトンの第二号を苦し紛れに置いてきたのだ!

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ほほえむ職人。

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オトン第三号5日間連続取材の5日目。
最終日にお邪魔したのは、創刊号からお世話になりっぱなしの、すすきの「すし屋のやま田」の山田オーナー。「男が誰かを誘って一杯やるとき」がお題の今回の特集で、上司と部下、男女、友人など、誘い誘われ集う人々の人間模様のエピソードを、客を迎える店の側の立場から語っていただいた。

今回はすしの取材ではないので、ハンサムなすしには逢えなかった。
残念。

写真撮影の際の山田さんのお言葉。
「職人とかが写真におさまるとき、こう、いかにもって感じで腕組んだりするのは、なんか偉そうで好きじゃないんだ。ボクの売りはあくまで“笑顔”だからさ、お願いしますよ」

さすが、本格江戸前のすし職人ながら、客人に緊張を強いないことをモットーとしている山田さんの素敵な笑顔でした。

かしう~札幌の萬里。

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横浜の野毛にある「萬里」は、日本で最初に焼き餃子を出した店で、僕は幼稚園の頃から通っていた。餃子はもちろんだけど、僕にとっての「レバニラ炒めこうでなくちゃならぬ」は萬里のそれであって、それ以外にも中華料理の原体験がたくさんある。たっぷりなみなみとしたレバニラのタレをご飯にかけて食べるお行儀の悪さも、ここでなら許された。父はいつもちびちびと老酒を飲んでいた記憶があるし、氷砂糖かなんかを入れていた。中華料理を食べるときは、この茶色いお酒を飲むものなんだと、何となく納得していた。

山下公園で缶蹴りをして、嫌いなヤツが鬼になると、マリンタワーのボーリング場で1、2ゲームプレイして何食わぬ顔をしていた。帰りには中華街でお粥を食べたりした。みんな小学生のころだ。親に中華街に連れて行かれたこともたびたびだったのだが、僕には萬里の方が気楽でしかもうまかった。

今現在でも焼き餃子一人前290円の萬里だけは、何軒かのそば屋同様、帰省するたびに立ち寄る。だって中華街の高級店よりも、萬里の方がどう考えても美味しいし、だから大人になってからも「萬里みたいな店」をいつも探していた。

7、8年前にシンガポール、マレーシア、タイを彷徨したときは、クアラルンプールの下町に“萬里”を見つけた。一昨年の夏は、内モンゴルの首府フフホトの、やっぱりダウンタウンに“萬里”を見つけたけれど、一年後の昨秋訪れたときには、北京中央政府の国策で汚い町は一掃されていた。

今年の正月、東京は浅草橋の有名店「水新飯店」もかなり“萬里”だったが、やっぱり軍配は萬里にあげてしまうだろう。

僕は小中高校と横浜市立の学校に通っており、中学のときは野球部のキャプテンだった。不思議なのは、僕の幼少からの中華の原体験をつかさどる萬里で、今現在、中華鍋をふっているのは偶然にも僕の次の代のキャプテンなのだ。しかもさらに不思議なのは僕の記憶の味と、まったくブレがないことだ。僕の中華の味の記憶が今、中学時代の後輩によって更新されれている…。

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昨日、オトン第三号5日間連続取材の4日目。
僕は札幌に“萬里”を発見した。有名な店らしいので、今さら発見もないものだけど、正確には昨日は取材本番だったので、先週の下見の際に出逢った。なぜ横浜から北海道に移り住んで、15年もの間気づかなかったんだろう。しかもこの店は僕の生年に創業している。間もなく半世紀。それもご縁なのか(ちなみに萬里は昭和24年創業。今年で58歳。萬里の方がちょうど10歳年上になる)。

今回の取材のお題が「チャーメン(炒麺/焼きそば)」で、僕はこいつに惚れ込んだのだけど、実はめっぽううまいと言われ、昨年11月に発行されたマガジンハウスの「餃子のススメ」にも登場するこの店「香州」の餃子は、実はまだ食べたことがない。

小春日和。

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オトン第三号5日間連続取材の3日目。
札幌のおでんの名店「小春」はこの2月で丸59年、来年は“還暦”を迎える。
創業者の小野寺春子さんは御年八十六歳。いまも毎日元気に店に出ている。
小春を切り盛りするのは春子さんと息子さんのお嫁さん、そのお嬢さん、の女性三代である。

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先週、紹介者の北海道テレビ、関川 信明さんとともに取材のお願いをさせていただいたとき、「もう年だし、私は写真が嫌いだから勘弁してください」と断りのお返事だった。それを、関川さんと談笑されているところを遠くから自然に撮る、ということでなんとかご了承をいただいた。昨日、それでも最初はカメラを気にされていたけれど、次第にお話に和んだご様子だった。

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撮影後、デジタルカメラのモニターをご覧に入れたところ、
「まあ、カメラを意識せずに撮った写真はいいものねえ、あ、これいいわ。あなたお上手ね。ねえ、この表情。あら、これも…」ということで、最後にはご自分の写真を欲しいとまで言っていただいて、本日も本田カメラマンの雰囲気作りとその力量、春子さんを自然な会話に導いてくださった、小春歴四十年の関川さんに感謝感謝なのでありました。

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昨日の小野寺春子さんの印象的なお言葉。
「60年も働いてきたとは思えないけれど、長く店を続けることができました。すばらしいお客さんばかりに恵まれることが、これほどまでに幸せなことだとはねえ」「(死別した)主人は本当にいい男だったんです。今だってそう思っていますよ。あなたに逢わせてあげたいくらい。ときどき仏壇に話しかけています。あの人がいたから、私は今でも生きていられるんです」

ちなみに、小春日和とは晩秋の暖かな一日のこと。でも、小野寺 春子さんのおかげで、ボクは昨日、季節外れの小春日和に遭遇した。

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