わが家がロケ地に。

なぜ、この日記を10日間も更新できなかったかと言うと…。
風の色は、北海道で行われるCM、ドラマ、映画等の撮影の企画段階から関わり、求められている撮影地を探し出し、その許可申請を行い、専門技術のスタッフや機材の手配、宿泊から食事まで、やってきたロケ隊が帰るまでのすべてをお世話(コーディネイト)する、ロケーションサービスを事業の柱に据えています。
今回受注したあるCMでは、住宅地の町並みとそこに走る道路、それから窓からの風景の抜けが良い住宅の室内、という二つの命題があり、企画者や監督、カメラマンの方々のイメージに合う場所を探すいつもながらの業務をこなしていたのです。季節の想定は秋冬ということで、担当のヒサシは新緑の季節を迎えている北海道の中でも、釧路、旭川、稚内など、道央圏よりも少しでも春の遅いエリアの事前資料を提出していました。が、下見(ロケーションハンティング、所謂ロケハン)に来た東京のメインスタッフは、住宅地のイメージが合う札幌小樽圏を集中して見ることを希望した末に、僕の住んでいる小樽市の某所にやって来ました。
別件で動いていた僕の携帯電話に、ヒサシから「今監督さんたちと、星野さんのベッドルームにいます」とという連絡が入ったのはその頃。
それからはトントン拍子で、ナント室内撮影はわが家に、住宅地の道路はその周辺道路に決定してしまったのです。
しかしながら、僕のウチに決まったのは僕のうちが素敵だったからという訳ではなく、僕のウチのリビングからの風景がよろしかったのと、そのまわりの家並み等が皆さんのイメージに合ったのですね。何を言わんとしているかというと、撮影に使用する僕のリビングは、その調度のすべてを美術担当の方の采配によって入れ替えることになったのです。その準備に丸一日かかり、その前日までにリビングをカラにしなくてはなりません。
昨日、僕のうちには某有名引っ越し屋さんの2トントラックがやって来て、リビングと隣接する和室と食堂の家財を運び出しました。撮影終了まで倉庫に保管するためなのです。
横浜から小樽に移り住んでから、14年ぶりにリビングの床すべてが顔を出した。

昨日から星野家は小樽市内のホテル住まいです。
リビング、食堂、和室の家財がテレビにいたるまでなくなって、今朝は東京と札幌の美術さんが部屋の「改装」に入っているからです。玄関からリビングまでの通路を養生用の毛布が覆い、明日の撮影機材搬入、カメラテストに備えて、床にはパンチカーペット等が敷き詰められました。ソファ、テーブル、小道具の類いが次々に運送業者によって東京から運ばれてきます。画面に入り込む新緑を避けるために、冬枯れの大木も大きなトラックでやってきます。明日から本番の6月2、3日にかけて、車両は東京からの3台を含む約20台。その駐車スペースを確保するために、近隣の大きな空き地の地主さんに交渉して使用を許可してもらっています。
出窓の天板は、実際のものの上から部分だけイメージの色と厚さのものが作り付けられ、同様に壁に関しても、本物の壁の手前に板を立て、そこに明るい色の壁紙を経師屋さんが素早い手際で貼っていきます。

(面白がって読んでもらえたのなら…)
人気blogランキングへ
スポンサーサイト
● COMMENT ●
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
トラックバック
http://azumashikikuni.blog16.fc2.com/tb.php/126-85d65179
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)