小春日和。

オトン第三号5日間連続取材の3日目。
札幌のおでんの名店「小春」はこの2月で丸59年、来年は“還暦”を迎える。
創業者の小野寺春子さんは御年八十六歳。いまも毎日元気に店に出ている。
小春を切り盛りするのは春子さんと息子さんのお嫁さん、そのお嬢さん、の女性三代である。

先週、紹介者の北海道テレビ、関川 信明さんとともに取材のお願いをさせていただいたとき、「もう年だし、私は写真が嫌いだから勘弁してください」と断りのお返事だった。それを、関川さんと談笑されているところを遠くから自然に撮る、ということでなんとかご了承をいただいた。昨日、それでも最初はカメラを気にされていたけれど、次第にお話に和んだご様子だった。

撮影後、デジタルカメラのモニターをご覧に入れたところ、
「まあ、カメラを意識せずに撮った写真はいいものねえ、あ、これいいわ。あなたお上手ね。ねえ、この表情。あら、これも…」ということで、最後にはご自分の写真を欲しいとまで言っていただいて、本日も本田カメラマンの雰囲気作りとその力量、春子さんを自然な会話に導いてくださった、小春歴四十年の関川さんに感謝感謝なのでありました。

昨日の小野寺春子さんの印象的なお言葉。
「60年も働いてきたとは思えないけれど、長く店を続けることができました。すばらしいお客さんばかりに恵まれることが、これほどまでに幸せなことだとはねえ」「(死別した)主人は本当にいい男だったんです。今だってそう思っていますよ。あなたに逢わせてあげたいくらい。ときどき仏壇に話しかけています。あの人がいたから、私は今でも生きていられるんです」
ちなみに、小春日和とは晩秋の暖かな一日のこと。でも、小野寺 春子さんのおかげで、ボクは昨日、季節外れの小春日和に遭遇した。

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