FC2ブログ

2021-04

イ・ミンギとオホーツク紋別1

カニの爪夜

北海道には二つのモンベツがある。紋別と門別。
この文字違いのモンベツを区別するために、道民は、紋別のことを「オホーツク紋別」「糸(いと)紋別」などと呼ぶ。

今年の3月、風の色はオホーツク紋別で韓国映画の仕事をした。
なんと、作品全体の8、9割を紋別で撮影すると言う。
北海道小樽を舞台にした、1995年の岩井俊二監督「ラブレター」がアジアで大ヒットして以降、近年のアジア諸国の好景気も相まって、それらの国々の観光客が「海外旅行」で小樽を皮切りにどっと北海道に押し寄せるようになった。

風の色も5年ほど前から、韓国、台湾のCMや映画、ドラマの仕事が増えた。今年は上海のテレビ局制作・北海道紹介の旅番組なんていうのもあった。

そんな中にあって、道央圏から旭川、美瑛、富良野、函館と、全道に広がるアジアラッシュにあっても、あまり彼らが訪れることのなかったオホーツク圏の、地味な港町である紋別が主たる舞台である韓国映画というのは、かなり異色だった。

ところが「韓流」あなどることなかれ。
どこから聞きつけたのか、風の色の事務所に、スタッフの携帯電話に(なぜ!?)、ファンのおば様たちから電話がかかってくるようになった。「今日から撮影よね。イ・ミンギ(主演男優)は何時の便で着くの?」「羽田から紋別の直行便に乗り遅れたので旭川便に乗るから」(なんでわざわざ我々に!)。
ちなみにこの方は、旭川空港からタクシーで紋別入りし(推定料金5万円)、キムチの差し入れを持参して現場に登場。当然、スタッフ、キャストの宿泊ホテルに、撮影現場にさまざまなファンの方々がお越し遊ばした。

われわれ制作サイドも、通常ならそうしたファンを排除するケースが多いのだが、今回は「せっかくなのだから」と、エキストラ出演してもらったり、ケイタリングに参加してもらったり、あえて作る側の手伝いをしてもらった。これには、いつも煙たがられていたファンの方自身が驚いたらしい。非常に感謝され、感動され、地元民やスタッフとの交流を通して、紋別を「忘れがたく暖かい素敵な場所」に変貌させた。

紋別では、北海道内でも一番早くから手を挙げ、『オホーツク紋別フィルムコミッション』を組織していたが、設立以来7年、ロケに恵まれなかった。今回が初めてのロケ隊受け入れだったのである。熱意だけでは覆いきれないノウハウの部分を、風の色はお手伝いした。

そうして、漁協の女性部や水産加工会社の女性スタッフなど、浜のおばちゃん中心の炊き出し部隊が早朝に昼に夕に活躍、地元高校の新聞部員は「紋別に映画がやって来た!」と現場を取材してブログを掲載したし、地元ロケ地や宿泊ホテルは言うに及ばず、スタッフの買い出し御用達のコンビニや、監督お気に入りのスナックも、ホテル近所のパチンコ屋も、たくさんの紋別市民がそれぞれの立場で映画製作に「参加」した。

このような「制作者とロケ地の幸せな関係」はそうそうでき上がるものではない。撮影終了後の打ち上げは、韓国スタッフ、出演者、北海道スタッフ、地元協力者、単なる地元民、遠来からのファンなどなどが出席、くんずほぐれつハチャメチャな盛り上がりを見せたのである。

その紋別に、この週末、僕は5月の終わり以来の出張に出かけた。(写真は紋別の名勝「カニの爪」)



スポンサーサイト



● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://azumashikikuni.blog16.fc2.com/tb.php/274-41261728
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

イ・ミンギとオホーツク紋別2 «  | BLOG TOP |  » 筑紫 哲也さんとジョン・ルイス。

カレンダー

03 | 2021/04 | 05
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

プロフィール

azumashikikuni

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

FC2カウンター

FC2ブログランキング

FC2 Blog Ranking

全記事(数)表示

全タイトルを表示