正しい晦日3

大奥様は若く美しく、とてもおばあちゃんをやっているようには見えないし、魚屋の香りではない。また、若旦那はめっぽう男前で、その出で立ちからしても、物腰によっても、どちらかと言えば「さしずめインテリかい?」と尋ねたくなるような、これまた魚屋さんの風情ではない。

若奥様は、大きな声を出しながら旦那との阿吽の呼吸で、いつもたくさん勉強してくれる。大胆にしゃべりながらも、常に八方気を遣っている。でも、そのあたりを除けば、背がすらりと高く、顔立ちもはっきりくっきり、やっぱりどーも魚屋さんらしくないのだ。
そんな訳で、年に数回しか逢えないけれど、築地もアメ横もない、むしろどちからかと言えば寂しげな小樽の年の瀬は、いつでも斉藤さん一家のお陰で、「嗚呼、そうなんだよ、これが年の瀬なんだよ」と、がぜん活気に満ちた感じに盛り上がって来ちゃうのである。
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