地デジ と KURO 600A

数年前に地上デジタル対応の室内アンテナを購入した。
その頃は、わが小樽の全域までは視聴可能エリアが達してはいなかったし、今ひとつ興味も湧かなかったので「室内用」だった。
ただ、広告に携わってきた昔から、TV関連だけは最先端をかじり、恥ずかしながら、ないお金を使って来た。20年以上も前、27歳のときに27インチで27万円もした SONY の伝説の名機、Profiel PRO を、西早稲田の6畳ひと間のアパートにデンと置いた時、マスターズのオーガスタのグリーンは圧倒的に美しく、涙が出るほどだった。布団を敷けばいっぱいのひとり住まいの部屋に一点豪華主義!(今でも現役こそ引退したけれど、寝室で隠居生活。ときたま色褪せた画面を拝んでいる)。その当時は、今と違って27インチはまだまだ相当「大画面」だった!
その後、プロフィール27インチの跡取りとして、満を持して SONY の WEGA(ヴェガ)37インチを購入したつもりが、世は完全に液晶とプラズマの時代に突入、 SONY 自体がほどなくブラウン管テレビから撤退した。そうして昨年12月、パイオニア KURO 600A がわが家にやって来た(僕にはどうも、心寂しい時に大きな買い物をする衝動があることをこの時改めて確認した)。
WOWOWは開局直後から加入しているし、今でもCS放送は、BSデジタルにおまけのようについてくる「e2」ではなく、単体チューナーを必要とする原点「スカパー!」の方である(最近スカパー!HDになった)。
近年では映像に関わる仕事も増え、テレビを新調したこともあり、がぜん地上デジタルが気になり始めた。ただ、巷で日々叫ばれる『地デジ』という省略語の響きが嫌いだ。
国民全員に新しいテレビを買わせる国策を、流行のようにやんわり浸透させる目的で、若者に媚びたネーミングで洗脳するのは、かつて山手線を突然『E電』と名付けて失敗した時と同様、高速の ETC と並んで実に不愉快である。
新たに地上デジタル専用の屋外アンテナをとも思ったけれど、よく見れば、すでに所有している室内アンテナが『室内外兼用』とあるのに気づいて,暮れから何度か屋根に登った。“兼用”も充分実用の範囲であることが分かり、昨日の祝日、ケーブルを少々いいものに変え、2011年7月に向けた準備は完了した。
年末年始の休み中、小樽にはほぼ一日も晴天がなかった。
昨日は見事に晴れわたり、久々にくっきりと増毛連邦が日本海の向こうに浮かび上がっていた。禁酒の誓いを立てていなければ、澄んだ空気の中、屋根の上で一杯やりたい気分だった。
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