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2021-04

『瀬戸 國勝 創作漆器を楽しむ 午後のひととき』

suzu.jpg

標題の催しにお呼ばれした。
1月14日の午後2時である。

百貨店の小さなバンケットルームに20名弱。
1988年からのご縁である、瀬戸さん(みなさん『先生』と呼んでいた!)の器を実際に飲食のシーンで体感してもらうのが眼目で、昨年はお節料理をいただいたそうだ。

ことしのテーマは漆器と珈琲の相性。
茶の湯の席でも、漆器は助演者として重要な位置を占めてはいるが、主役を張ることはない。まして珈琲となれば…

酒呑みだけれど、珈琲も大好きな瀬戸さんが、珈琲に合う器とその場面を引き立てる共演(饗宴)者を考え抜いた挙げ句、常々日本一と賞賛する珈琲焙煎の巨匠にわざわざ京都から来ていただいた。

銘々の席には、不思議な色の平皿。
漆と金属である錫のコラボレーションを追究する瀬戸さんの近年のテーマ。錫を粉末状にしたものを、黒の漆を仕立てた素材にまぶすようにして合わせてゆく。錫を定着させるために、さらにその上から黒の漆を。そのバランスによって、錫の発色が自在に変化する。

その平皿の上に、これも瀬戸作品である黒の楕円のお重から、瀬戸さんのお眼鏡にかなったきんつばと、初めて見るクラッカーに載せられ、蜂蜜をひとかけした KIRI のチーズがスタッフによって取り分けられる。

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新作の珈琲マグは、薄い板を張り合わせ、そこに巻いた布の上から黒漆を重ね塗りしてしつらえた平板のランチョンの上に置かれていた。布の意匠が、僕も訪ねたことのある、能登輪島の瀬戸さんの工房の横に流れる川の水面をイメージしているのだとか。瀬戸漆器の基本である、黒と赤のコントラストが美しい。

焙煎の巨匠の、簡単な珈琲の説明があり、赤の珈琲マグに、一人ずつ、珈琲とミルクを注ぎいで回る。本日の一杯目はカフェ・オレだ。これをチーズ&クラッカーと共に試してください、と瀬戸さん。

新作マグに口をつけた瞬間、カップの淵の柔らかなカーヴの心地よさに、この塩梅が決まるまでの時間を思った。焙煎の巨匠が創り出した液体は、この口当たりの印象を微塵も裏切ることなく、繊細な泡立ちと優し気でおだやかな喉越しで口中を満たしてくれた。この至福をチーズとクラッカーの味覚触感が迎え討つ。おお。

折りに触れたお二人の漆器と珈琲のお話を聞きながら、二杯目はイエメン産の苗木をハワイで育て収穫したモカストレート。会期二日目にギャラリーを訪ねたとき、瀬戸さんが自ら煎れてくださった「あれ」である。マウイのモカは、瀬戸さんの韓国の友人が焼いた器でいただく。しっかりとした苦みをたたえながら、切れ味のよいすっきりとした後味が、讃岐の銘菓和三盆のそこはかとない甘味と絶妙の相性である。こいつはちょっとしたカルチャーショックだ。


お酒も良いけど、珈琲もね。

禁酒に突入して二週間目の折りも折り、至福の午後は、残りの平日の僕を使い物にならなくした。アルコールもなく知的なにほいすらする時間が、心地よく自分を駄目にする。それはそれは初めての経験だったのだ。





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