FC2ブログ

2021-04

幕切れ。

自由の夜明け

母を札幌市手稲区の渓仁会病院の検査に連れて行った翌々日、正確には日付けが変わった23日木曜日の午前0時40分頃、施設から電話が鳴った。珍しく早い時間にベッドに入っていた。

施設のケアマネージャーが動転した声で言った。
「ふみさん(母の名)の様子がおかしいんです。なんか、息もしていないみたいで。あ、先生がみえたので替わります」
「○○(内科医の名)です。もう亡くなってます」

午前一時過ぎに母のもとへ。急性心不全とのこと。
この一年半の母の世界のほとんどすべてだった施設の六畳の部屋で、僕はひとり母と朝まで過ごした。午前4時から5時にかけて、目前に広がる広くて深い闇の中から、小樽の海がゆっくりと浮かび上がって来た。

横須賀の病院からこの認知症専門施設グループホームに連れて来た当初、母はすでにここがどんな場所か正確には理解しておらず、圧倒的に窓外に広がる日本海をただただ喜んでいた。言葉の断片から察するに、おそらく僕が母のために建てた新しい一軒家と思い込んでいたのだろう。

いくら飲んでも酔うことなく迎えた23日木曜日の朝、僕は母方と父方の親族に電話をかけ、小樽で葬儀を執り行う許しを得た。ほとんど東京に集中する親類たちには、神奈川県三浦海岸にある父の墓に納骨する際にご案内させていただくから、と。

どこに立ち寄ることもなく、横須賀の病院から小樽のこの施設に直接やって来た母には、北海道小樽にはただの一人も知り合いがいない。もちろん、お世話になったホームの方々を除いては。

そんな土地で母を荼毘にふすのは申し訳なかったが、こればかりはいかんともしがたかった。


スポンサーサイト



● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://azumashikikuni.blog16.fc2.com/tb.php/332-72baa808
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

彼方へ。 «  | BLOG TOP |  » 風にそよぐ藤の…

カレンダー

03 | 2021/04 | 05
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

プロフィール

azumashikikuni

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

FC2カウンター

FC2ブログランキング

FC2 Blog Ranking

全記事(数)表示

全タイトルを表示