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2021-04

25年目の夜。

 
ウヰスキー作り1日目が終わった晩、ボクらは卒業旅行のロンドンの夜を再現するために小樽の駅前にホテルをとった。小樽在住の僕がいるのに「わざわざ」である。

ロンドンでふた晩目から泊まった小さな安宿のフロントマンは、自分のホテルにシングルルームがいくつあって、ツインは何階のどこにあるのか、まったく把握していなかった。4人なのでツインを二つか、シングルを四つとオーダーすると、首を傾げてずいぶん悩んだ挙げ句、僕らを従えて歩き出した。多分ここで大丈夫だろう(てなことを言っていたのだと思う)と扉を開けると、なんとそこはベッドが4つのフォースルームだった。

17年前に小樽市民になる前に何度か泊まったことのある小樽グリーンホテルに、確かそんな大部屋があったような気がして問い合わせたら、案の定、フォースルームが存在したので決定した。

荷物を置いて花園へ繰り出す。
すでに余市の懇親会で食べものもアルコールも入っていたので、僕は迷わず最も大切にしている酒場、中嶋さんの『樽』に三人を連れて行った。

樽2

しばらく静かに杯を重ねた後、この4人の素性というか今晩の意味合いを店主に伝えた。だまって様子を見ていたカウンターの別の客人が、

「あんたらいい年したくせに仲が良くて、見ていて実に気持ちがいい。素晴らしい男たちだ!」

と、言われたことのない妙な褒められ方をした。店主の中嶋さんの口からも、

「そんな記念すべき日にウチで飲んでくれて嬉しいよ」

とありがたい言葉が飛び出した。すかさず相棒のひとりが、記念に一緒に写真を撮らせてもらえませんか、と言い出した。中嶋さんが大好きな常連には言いたくても言い出せない台詞をさらりと口にしやがった。でも、そのくらい三人とも心底この店が気に入ったようだったし、中嶋さんも「よろこんで!」と、気持ちよく「4人の」旅人の申し出を了承してくれたどころか、カウンターの内側に招き入れてくれた。

樽

これから長いこと樽に通っても、こうした写真を撮らせてもらうことはもうないだろう。いや、10年後にウヰスキーを受け取りに来たときに、また4人で訪ねよう。それまで中嶋さんには元気にしていてもらわないと。



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