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2021-04

マイウヰスキーづくり3


今回の経験の中で、本筋とは別に最も驚いたことのひとつは、二日間の行程のすべてのお相手をしてくれたニッカのOさんが、僕の自宅のお隣さんだったということ。開会のとき、まずはび~っくり! なんせ、小樽に移り住んで17年、会釈しか交わしたことない人であり、勤め先も職業すら知らなかったのだ! それが…

自ら口べたとおっしゃり、訥々と話すOさんだったが、それがかえって技術畑を歩いて来た方の仕事の確かさを象徴するようで好感が持てた。

二日間のすべての日程を終了した閉会の挨拶のとき、Oさんは最後の挨拶をこう切り出した。

「最後にひとつ、みなさんにお願いがあります」

当然、お決まりの企業PRがひとしきりあるのだろうと思った。でもそれはちょっと違った。

「これを機会に、永遠にニッカを飲み続けてくださいなんて、大それたことは言いません。でもひとつだけ。10年後、今日のウヰスキーが熟成を重ね、みなさんがそれを味わう日が来たときに最も大切なこと。それは、健康です。健康でなければすべてはありません。どうかその日まで、みなさん健康でいてください」

tastingK.jpg

別に普通のこと、当たり前の言葉かもしれない。
でも、なぜか心の奥にずしっと響いた。

人の生き死にに関して、いろいろあったばかりだからかもしれない。でも、人は健康でないと、ケンカをすることも出来ない。憎むことすら出来ない。

10年後に、こんな顔してウヰスキーが飲めるように、少し謙虚に生きなけりゃならないかな。


集合3b


かくして、四半世紀前のヨーロッパ旅行の打ち上げというか、二次会というべきか、そうしたひとときが終わりを告げた。

25年前、こんな形で再会のときが訪れるとは思ってもみなかった。でも今回は違う。10年後にこの顔ぶれで、ふたたび余市を、ニッカウヰスキー工場を、小樽を、中嶋さんの樽を、僕らは訪れるだろう。

今年植えた藤の花、二年に渡る母の顛末、見事だった御衣黄、飛行機や電車や居酒屋で抱いていた母の遺骨、マグロの漁港に集ってくれた友人たち、やさしくしてくれた旅館の若女将、彼女に紹介してもらった港町の花屋と果物屋、F先生とのツーショット、納骨の儀、親族という忘れかけていた血のつながっている存在、25年目の再会…このふた月ほどのやるせない時間から、遡ってさかのぼって25年前の旅の場面やらが次々と鮮やかに甦る。

そんなモロモロを封じ込めたウヰスキーは、いったっんどんな味がするんだろう。ホントにウヰスキーって奴は、時間と戯れる飲物なのだと思う。

時間旅行はまだ終わっていない。



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