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2021-04

CMナレーション。

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四月に母を見送る前後から、
息もつかずに全力疾走、そんな四ヶ月ほどが経過した。

一昨年の十一月に、横須賀の病院からこちらの施設へ直行。
母のことを誰も知らない北海道小樽で母を荼毘にふした。

五月、書家だった母が屋号を書いた、
父の実家である東京のお茶屋のお茶と海苔を香典返しに送った。

六月、遺骨を抱いて列車や飛行機に乗り、遺骨を抱いたまま東京の居酒屋で酒を飲んだ。

都下の特別養護老人ホームにいる母の姉に母急逝の報告に行った。

三崎漁港の日本旅館に友人たちが集まり、母の前で宴会をした。
納骨に参集した、疎遠だった親戚たちの有り難みを思い知った。

大学卒業欧州旅行の仲間と、北海道余市で十年後に受け取るウヰスキーづくりで四半世紀ぶりに集結した。

七月、内モンゴル行をめぐり、東京名古屋札幌を行き来した。


昨秋から一人息子の僕を分からなくなっていた母なので、自分の中では何度も母とお別れをしていた気になっていた。亡くなったときも葬儀のときも涙は出なかったし、さほど動揺はしていない自分を感じていた。

でもそれはとんでもない誤解だった。
どこかストンと抜け落ちている腑抜けの自分がいて、思いもよらぬ状況で目に大怪我をしたし、血圧は上がり、飲んだくれで痛い風の予感は増大した。

老化だけが原因ではない、とんでもない忘れ物や、電車の乗り過ごしなんて何度やっちまっただろう。茶飯事をこなしながら、ちょっと背筋が凍るような凡ミスを繰り返した。

八月、内モンゴルから戻って後、中耳炎、結膜炎、喉痛、偏頭痛、高熱と、小学校卒業間際の大病以来の持病の集大成みたいなものがいっぺんに襲いかかってきた。いい加減ペースを母の死以前の日常に戻さねばと焦れば焦るほど、心身がいうことを聴いてくれない、恐怖にも似たもどかしさ。

いや、本来のペースとの逆行は、思えば母が発病した一昨年の盆から始まっているようだ。北海道と東京を往復し続けた半年間。自分の乱調は、すでに丸二年にも及んでいることに最近気づいた。


昨晩、CMのナレーションの仕事をした。
北海道の未来を担う、北海道米の新種デビューのTVCM。
地道な研究開発が身を結んだ、さわやかで少し厳かで、希望に満ちた前向きな作品だった。

録音ブースの中で、ずいぶん久しぶりに無心に声を出した。
ヘタクソなりに悪くない感じがしたし、ディレクターに少しだけお褒めの言葉をいただいて、ふうっと心が軽くなったような気がした。ロケの仕事や、物書きの仕事、モンゴルでの様に自らビデオやスチールのカメラを携えた映像制作、あるいはイベント業務とは、使う脳の部位がまったく違ってリフレッシュ出来た。


そう、今日から母の新盆なのだ。
あれから文字通り丸二年が経過。
未明から雨がしとしと降っている。

十六日は父の十九回目の命日だし、少し心静かに暮らしてみよう。こんな想いで真っ向から迎える盆は、僕には初めてのことだ。




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