そばにいてほしい2

9月7日月曜日昼下がり。
羽田に向かう前に、神田まつやに。
日本中すべての蕎麦屋を制覇した訳ではないけれど、僕はこのそば屋が日本一だと思っている。並木の薮と、蕎麦屋は二軒だけあればいいとさえ考えている。
いや、もちろんほかにも素敵な蕎麦屋、大好きな蕎麦屋は日本中にいくつもある。ただ、もしも日本沈没だとか大変なことが起きた場合、なんとかこの二軒にだけは生き延びて欲しいと願ってやまない。 脱サラの天才的蕎麦打ちの新興店は誕生しても、時の流れでしかなし得ない、蕎麦屋酒の世界が存在するからだ。
この日こちらではまず、鳥わさを所望した。並べられた品々の、そのたたずまいを眺めただけでしみじみ嬉しさがこみ上げてくる。 口に含んだ鶏の味とわさびの香りが消えないうちに、一本目は常温、二本目はぬる燗の菊正で流し込む。

まつやの品書きではたいてい、二番目に焼き鳥をいただく(串に刺さっていない奴)のだけれど、恥ずかしながら今回、仲居さんに勧められ、まつや歴四半世紀にして初めて親子煮を食した。
ああああこれなんだ。きっと僕はにんまりしていたに違いない。ひとりの時間がこれほどまでに楽しいと思える、数少ない瞬間をまたここで…。
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