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2021-04

瀬戸國勝さんともっきりバル。

瀬戸珈琲1

今年も丸井今井の加賀老舗展が始まった。
今年は1月9日土曜日から17日日曜日まで。

同時開催の『輪島 瀬戸國勝 漆展』の瀬戸さんとは、1988年大晦日の輪島で衝撃的にご縁をいただいた。だから、おつき合いはかれこれ21年を越える。

1996年の正月にこれまた衝撃的な再会をこの札幌丸井今井の加賀展で果たしたその年の暮れには、輪島に瀬戸さんを訪ね、さらにお隣の珠洲市へ。瀬戸さんの漆塗りの湯舟のある湯宿「さか本」で、1988年大晦日以来になる、天才料理人坂本さんの手打ちそばをいただいた。

http://www.asahi-net.or.jp/~na9s-skmt/


今年の加賀展初日の午後、店に入る前に一条館8階の美術工芸ギャラリーに瀬戸さんを訪ねた。近年、僕が会場を訪れると、会場内の応接セットに僕を座らせ、瀬戸さん自ら珈琲を落としてくださる。むろん、瀬戸作品のトレイと珈琲マグによって供されるのだが、今回は京都の老舗和菓子が興を添える。この珈琲は、驚くべき食通にして大の珈琲好きの瀬戸さんが日本一と断じる職人さんの手によるもの。瀬戸さんのお嬢さんは、京都でこの珈琲を提供するカフェを開いている。

http://blog.livedoor.jp/keisy1959/archives/51278066.html



昨年の会期最終日は、瀬戸夫妻と恒例の食事会の約束だったのだけれど、瀬戸御大がインフルエンザでダウン、食事どころか能登への帰還も遅らせざるを得なかった。

毎年口の肥えたご夫妻との食事の場所を決めるのは頭が痛い。
一週間の会期で6日通ったというほど『おでん 一平』は気に入ってもらったけれど、それから十数年、一平を凌駕するのは容易ではない。

瀬戸夫妻イン#2

1月10日日曜日、そんな瀬戸夫妻をわが『もっきりバル 風の色』にお迎えした。出逢って22年目、まさか自分が店主の立場でこの人たちを迎える日が来るなんて…

「じゃ、白ワインの良さそうなところを見つくろってもらって…」

瀬戸さん、すみません。ウチにはうんちくを語るワインはないんです。イタリアのただの白ワインとスペインのただの赤ワイン、それもがぶがぶ飲んでもらえる大衆ワインしか置いてません。

バルカウンタ

でも、そいつをタコのガーリック煮やアボカドのディップやパンと併せ、北の錦の樽酒に移ってからは、生コマイの卵の醤油漬けだのキャベツの浅漬けだのとやってもらったら、さすがは心から本場のバルを愛する瀬戸御大、僕の「もっきりバル」の意図するところを汲んでくださったようで、料理長のおまかせの小皿たちを楽しんでくれた。

シャンパ

僕にとって、バルを翻訳すると、限りなく江戸の蕎麦屋酒に近い。
特別な酒肴を供するのではなく、蕎麦の種物をちょいと出す。オカメ蕎麦があるからかまぼこ。鴨南蛮があるから鴨をあぶって…。ざる蕎麦には海苔。という風に。そいつでちょいと、きゅっとやる。

空間としても蕎麦屋は単に食事だけの場所にあらず、飲むだけの場にもあらず、江戸の頃には二階であやしげな秘め事もありやなしや。バルも蕎麦屋もそうした地域のコミュニティな存在だった。

瀬戸さんは、いい寿司屋ってバルなんだという。これもなるほど、とうなづいてしまう。奥さん曰く、瀬戸はある年スペインから帰国してしばらくは興奮してバルの話しかしなかった、と。そうなんだ。バルにはそういう力がある。

バル店内

バル人気にあやかって、あるいは奇をてらって「もっきりバル」とした訳ではない。札幌ではやっているバルは、僕にはスマート過ぎる。昨秋マドリードやバルセロナで満喫して、僕を日本に帰りたくなくさせたバルは、もっともっと大衆的で気軽なものだった。同じ気軽さで日本的なメニューも同時に楽しめる場所。そういう意味合いで“もっきり”と合体してもらった。

シャンパ店主

本場のバル、バール、あるいはカフェを知ってる人は、なんとなくわがもっきりバルを理解してくれそうな気がする。なんでもない酒と、それによく合う気の効いた小皿料理。地域の情報と人が交錯する銭湯みたいなコミュニティ。だから、居酒屋ではなく、酒場と呼びたい。“ 場 ”こそが重要だから。

瀬戸ご夫妻のように究極に舌が肥えていても、値段で店をはかるのではなく、うまいものはうまいと評価し、食べ物と飲み物の相性、そして値段のバランスさえ合点が行けば、どんなジャンルや階層の店でも足を運ぶような人たちに支持されたらわが意を得たり、というものだ。

おいしゅうて、やがてあずましき…

個展でお疲れの瀬戸さんが、次第に夢見心地になっていく。


【瀬戸さんとの一月】

2006年
http://kazenoiro.asablo.jp/blog/2006/01/10/206736
http://kazenoiro.asablo.jp/blog/2006/01/11/206860

2007年
http://kazenoiro.asablo.jp/blog/2007/01/16/1115316

2008年
http://blog.livedoor.jp/keisy1959/archives/51128219.html

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