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2021-04

土日のもっきりバル。

チリコンカン

23日土曜日。
午後三時の開店直後に、年配の男性二人連れの来店をいただいた。テーブルに腰かけるや否や、赤ワインをボトルで。黒板の、本日の料理長のおすすめから、ワインに合いそうなバルメニューを選んでくださった。

「札幌で昼から、それも気兼ねせずに飲めるところはそうないんだ。僕ら年金生活者には、この安さも魅力だなあ。あんたいい店作ってくれたねえ」

壁際のお父さんはそういって喜んでくれた。
かつてスペインのバルを訪れたことがあり、気取らず、それでいてどこか小粋な感じが好きで惚れ込んでしまったという。
「あんたが本場のバルをちゃんと知っていることがこの店を見ればよく分かる」とお褒めをいただき、さらに、もっきりと合体させた造語が訴えんとしているところを察してくださり、そこをえらく気に入ってくれたらしい。

「『もっきりバル』って、コンセプトが凄い。センスがいいや。う~ん、いやあ、なんだか居れば居るほどこの店が好きになって来たぞ」

といって、70に手が届くかとお見受けしたその御仁と相棒の方は、たちどころに2本目も空けてしまった。と思ったら僕を眼で呼んだ。近づくと、「あのね、ホントはもう一軒行こうと思ってたんだ。でも、コンセプトはいいし、食べ物はうまいし、兄さんたちは気持ちがいいし、あまりにもこの店が気にいったんで、このまま二次会に突入することにしたから。3本目からは二次会だからね」
と、そう言った。そうしてまたしばらくすると、
「もう1本くれる? ここからは三次会ね」

16日土曜日に、北海道新聞の和田由美さんが書いてくださった記事が掲載された日に引き続き、二週続けてお一人でいらしてくださった女性とも意気投合していたお二人は、結局ワインをボトルで4本開け、でもとてもきれいな飲み方で、背筋をすっと伸ばし、しっかりした足取りで階段を下りて行った。滞在時間3時間強。

バル2

24日日曜日。
そのお二人と仲良く話していた件の女性が、お友達を二人つれて連日のご来店。その日は午後1時過ぎから中年のご夫婦が口開けで、もの凄い勢いでホッピーを飲んでくれていた。奥様は、レギュラーの倍もアルコール度の高い(約10度)弊店オリジナルの『海賊ホッピー』をいたく気に入ったようで、滞在4時間に7杯も!(最初にレギュラーの黒ホッピー、キンミヤ焼酎のロックも飲んでいるのに!)

「私たちは酒だけで結ばれている(笑)」と彼女が叫んだ相方のご主人はといえば、白ホッピーを8杯。テーブル席よりも、カウンター立ち飲みを選ぶお客さんばかりのその日、ご夫妻は次々とカウンターの一人客と親交を深めていた。

さて、来店三度目にして、お友達を連れて来てくださった件の女性が言った。「昨日の二人のおじいちゃんはワイン何本飲んだんだっけ? 4本ね。じゃ、あたしたちは何本飲めばいいの?」
やる気満々である。

カウンターの男性独り客と僕が、『酒場放浪記』の吉田類さんのことを話していたら、例のご夫婦の奥さんが、「ちょっと待って、今、吉田類って言った? マスター知ってんの? ぎゃあああああ」

僕がその吉田類さんと小樽で衝撃的に出逢い、ひと晩一緒に飲み続け、出逢ったその晩に、彼のホテルの部屋で彼から俳号を名付けられた話やら、翌月、雑誌サライにも掲載された、浅草の和食店むぎとろで毎月開かれる彼の句会『舟』の定例会に参加、二次会神谷バー、三次会のバー『浅草バーリィ』ではほぼサシで類さんと語り合い、僕の手土産、北の錦純米吟醸をバーテンの木村さんはじめ、店に居た人たち全員で利き酒したエピソードとか…そんな僕の自慢話を嬉しそうに聞きながら、

「あのね、吉田類は私の神なのね。その類さんとそんな? わあ嗚呼嗚呼。凄い。良かった。本当に良かった。この店に来られて…嗚呼、なんて幸せなんだろう。私の神様と一緒に飲んだなんて…類さんの番組でわたしたち、ホッピーもキンミヤ焼酎も知ったのね」

そんなご夫婦が同じカウンターの男性とようやく引き上げた頃、僕は件の女性三人のテーブルで、ワインボトルの消費を手伝っていた。だって、兄さん、兄さん、座って一緒に飲んだらいけないの? って聞いてくれたんだもん。その時すでに、彼女たちは赤ワイン4本、白ワイン1本を空けていた。

バル1

そこに! 三越のドライフルーツ屋さん、ピエールが現れた!
店全体の異様な盛り上がりに、仕事上がり素面のピエールは、一瞬だけ気おくれしたものの、持参してくれたお土産ドライフルーツを「これみなさんに」と! お皿に小分けしたそいつを各テーブル、カウンターのお客様に配って歩きながら、僕は叫んだ。

「みなさんに、三越でドライフルーツ屋さんをしているお客さんからプレゼントです! 彼の名は、ハジメ・ビエール・ヤハギ!」

その瞬間、店にいた僕らスタッフも含むすべての人間が一斉に立ち上がって割れんばかりの大きな拍手が! スタンディングオベーションってやつだ!!!

いつの間にかピエールはワイン女子のテーブルに招かれ、ご相伴の挙げ句、四人で次の店へと流れて行きました。女子四名の滞空時間はおよそ5時間? ワインは7本空になったのでした。

そうしてその夜もふけていきましたとさ。

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