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2021-04

土曜日の劇場。

新橋演舞場

つかこうへいの『飛龍伝』を、かつて新宿紀伊国屋ホールで観た。
いや、『熱海殺人事件』も『蒲田行進曲』も紀伊国屋だったはずだ。僕の在学中には演劇研究会(第三舞台)に鴻上尚史がいたし、東大には夢の遊眠舎の野田秀樹と、小劇場運動の華やかなりし頃である。つかこうへいに関しては、戯曲のみならず、小説やエッセイを集中的に読んでいた時期があって、たしかその頃読んだエッセイの中に芝居小屋と観劇料についてこんな意味のことを書いていたと思う。

芝居なんて安っぽい固い椅子の痛さをいかに感じさせないかを考え抜いて創るものだ。自分の芝居が5千円もとるようになったら俺は芝居をやめる。

二月六日。リニューアルした新橋演舞場でつかの『飛龍伝2010』はA席が9千円だった。桟敷席に至っては弁当付きで1万1千5百円! 自ら芝居に携わるものを河原乞食と卑下しながら同時に胸を張っていた男の芝居は、もはや『演劇鑑賞』に変貌を遂げていた。ロビーでは1千200円のプログラムの他に劇場限定販売の上演台本が2千円で売られ、桟敷にありつけなかった観客は、休憩時間に食べる昼食(夕食)を事前に予約する。

往時を懐かしみ、立派な劇場でありがたく鑑賞する演劇に上り詰めたことを批判している訳ではない。つかこうへい肺がんの報道により稽古にも本番にも立ち会えない現状を知り、つかの今を知りたくなって、北海道からチケットを予約した。

六年前に十五歳でつかこうへいに見出された黒木メイサが輝いていた。


歌舞伎座

昼公演の芝居がはねて午後三時の界隈を歩く。
演舞場から至近の歌舞伎座の前に出た。こちらは五月から長期の改装工事に入ると聞いている。劇場本体は低層の現状を踏襲するというが、高層のオフィルビルを併設するらしい。

東京からまたひとつ、江戸の風景が失われてしまうのだろうか。



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