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2021-04

野毛の名店『萬里』

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外食の味覚でもっとも古い記憶に染み付いているのは萬里のレバ(ニラ)炒めである。

横濱は野毛の萬里は、日本で一番最初に焼き餃子を出したとして、知る人ぞ知る大衆中華の名店だ。僕は幼稚園の頃から家族で萬里に通っていた。父は老酒に氷砂糖を入れてちびちび。母は店内を走り回る僕を叱り、僕はレバ(ニラ)炒めの肉汁をご飯にかけて食べるのが楽しみだったのをよく覚えている。その両親はもういない。

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横濱市立吉田中学三年の時、僕は野球部のキャプテンをしていたのだけれど、現在萬里の料理長は僕の次の代のキャプテンをしていた川淵という男で、今でも日本一と思っている萬里のレバ炒めは川淵が作っている。不思議なことに、これが僕の記憶の中のレバ炒めの味と寸分違わずぴったり重なり合う。

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二月八日月曜日。横濱市立櫻ヶ丘高校一年からの友人タケさんと、午後三時半に萬里で待ち合わせた。横濱駅西口徒歩10分のマンションに住む独身貴族のタケさんは、僕の大学時代の友人たちと僕抜きで今でも仲よくしている。高校何年の頃だったか、タケさんと二人で、学校をさぼって川崎駅ビル文化に『ラスト・タンゴ・イン・パリ』を観に行ったことがある。

面白いことに僕の友人たちが萬里に足を運ぶようになったのは、僕が北海道に移り住んで以降だ。それは、大学も職場も公私の活動半径が東京ばかりで、遠のいていた僕の足が横濱の萬里に戻って来たのが、むしろ北海道へ移住して後ということを意味している。

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タケさんに預けているご無沙汰の友人たちのこと。
最近、期せずして酒場の店主になっちゃったこと。
そんなよもやま話を重ねているうち、僕らの紹興酒は三本目に突入した。もちろんDNAに刷り込まれたレバ炒めも食べたけど、敢えてカウンターに座った僕らに、川淵が何かと気を使ってサービスしてくれた。

考えてみれば、飲食店でシャッターを押してしまうことの多い僕が、萬里で川淵の仕事ぶりを写真にしたことがなかった。お店と川淵にお断りして厨房の様子をパチパチ。

今でも逢うことのできる、数少ない中学と高校の同窓生がここにいる。

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すでに命を落とした野球部員の話なんかも話題に上る。
体育会の先輩後輩は、卒業から三十五年が経過しても口の聞き方ひとつからして変わりがない。でも、さすがに五十を過ぎると、上下というよりも同士という感慨がわき上がって来て、少しだけ胸が熱くなった。

仕事の取材で出逢う料理人たちと同様、気合いを入れて食材に向かう姿はすごく格好よかったよ、川淵。



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