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2021-04

馬さんと再会。

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2月9日朝の横濱中華街。
平日でも人通りが多いのはいつもながらとはいえ、春節(旧正月)を目前にしているからか、心なしか沸き立つような雰囲気があった。

三つ、四つの頃から出入りしている街なのに、中華街に行ったらここ、という店になかなか出逢えずに来た僕だけど、近年ようやくごひいき店を見つけた。
「馬さんの店 龍仙」である。もともとテレビなんかにはよく登場していたようだけど、それも齢八十代半ばの店主、馬(まー)さんのキャラクターによるものだ。僕はそんなこと知らずに偶然見つけたのだけれど。

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最近はとみに上り調子らしく、知らないうちに二号店、三号店も出来ていたんですねえ。

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でも、僕の足が向かうの、はやっぱり馬さんがいる本家本元だ。

かつてのホームタウン横濱も、いまではホテル滞在して訪ねる場所になってしまった。半分地元、半分旅人気分の僕にとって、横濱で目覚めた朝に、そのまま気楽に飲み食いできる店はないかと彷徨っているときにここを発見した。馬さんの店は朝八時開店なのである。

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午前十時、まだ馬さんの姿は見えない。
僕は青島ビールと小龍包を注文してちびちび始めた。気がつくと、紹興酒も頼んでいた。さすがにこれから飛行機に乗るので、ネギ油蕎麦で手短に締めた。

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店の入り口横に、馬さん専用の居場所がある。田舎のバス停みたいなその小さなボックスに馬さんは収まっていた。馬さんはとにかくサービス精神が旺盛で、誰にでも気軽に話しかける。ずいぶん長く話し込んだこともあり、僕は「再会」のつもりだけど、馬さんがどこまで覚えてくれているかは定かではない。

小樽から来たと伝えると、バスの車掌みたいな分厚い革のバッグを開いてごそごそ始めた。たくさんの手紙や書類らしきものの中から一通の封書を取り出す。北海道から来てくれたお客さんのだ、と手紙と写真を見せてくれた。小樽とこの住所は近いのか? そうかそうか、それなら一緒に写真を撮ろうと、道ばたにたたずんでいたきれいなお姉さんにシャッターを押してくれ、ついでに一緒にどうだ、なんていきなり話しかける。

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そうしてこの1枚。

別れ際に馬さんは、
「近々にまた来ますから」
と告げた僕の手を握り、僕の目を見ながら二度繰り返してこう言った。

『イノリ イツモ シアワセ』

唐突な言葉になんだか朝っぱらから胸に迫るものがあり、最初の角を曲がっていつまでも見送る馬さんが見えなくなった頃、口の中で僕も繰り返してみた。

『イノリ イツモ シアワセ』


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