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2021-04

引退の日 ― 小林酒造 脇田杜氏2



十六年前の取材で雑誌に掲載された僕の文章を四代目が気に入ってくださり、いろいろお話をさせていただくようになる。お互いに蕎麦打ちが趣味で、
「造り酒屋の酒を飲ませる直営の蕎麦屋をやってください!」
「何かことを起こす時には手伝ってよ」
なんて夢を膨らませていた。

七年前、四代目から電話があり、
「店をやることになったよ」
「蕎麦屋ですか?』
「いやあ、江戸の蕎麦屋酒みたいなのはまだまだ北海道の文化ではむずかしいから、地鶏を中心にした品書で、蔵直送の酒を飲ませようと思う」
そんなやりとりになった。

品書10

店の名前を考えるところからご一緒させていただき、地鶏のトリは、酒の飲みたくなる頃合いの時間を示し、その文字自体にもニワトリの意味以外に、酒や酒を醸す器の意味があり、なにより「さんずい」をつけると「酒」になる「酉」の字を当てて『地の酒 地の酉』として、店名にかかる肩書き風に。肝腎の店名は、栗山の小林酒造が札幌に七番目の蔵を開きました、という意味合いで七番蔵。

かくして、屋号のまるたと併せ『地の酒 地の酉(とり) まる田 七番蔵』が誕生。書家である私の母にその書を任せてもらう僥倖にも恵まれ、開業のチラシやリーフレット、店の品書など、印刷物の一切を手がけさせてもらった。

昨二十六日金曜日、最新の品書を七番蔵に納品した。品書の改訂作業と前後して、その多くを片付けられずにいた母の遺品を整理していた。間もなく母の一周忌を迎えるから。母の書道関係の荷物の中に、母が下書きしていた七番蔵の書、私の会社風の色の書の草案が出て来た。

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そうした折も折り、脇田征也杜氏の引退の報が届いたのだ。僕はどうしても杜氏に直接お会いして、今日に至るご縁の御礼を言いたかった。そうして、三月二十七日の栗山で、その願いはかなった。

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講演の後、札幌軟石の蔵の中で北の錦を交わしながら、杜氏とゆっくり話をすることが出来た。お会いしたのは七年ぶりだった。なんと杜氏は、北海道新聞に掲載された私の店の開業の記事を読んでくれていた。
「あんたの店ならぜひ行かなくちゃと思って切り抜いておいたんだ。もちろん(あんたのことは)覚えているさ。北海道銀行のコマーシャルだって知ってるよ(笑)」

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おかげでそこに集っていた北の錦ファンの方々にも、少なからずわがもっきりバルに興味を持ってくれた人がいたようだ。

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杜氏、五十年間お疲れさまでした。
これからは造る人からひたすら飲む人になれるのですね。風の色でお待ちしてます。おいしい酒を飲むために、お身体くれぐれもご自愛くださいますよう。

昨年十二月二十六日開業、小林酒造の北の錦を飲ませるわが『もっきりバル 風の色』は札幌市中央区南二条西六丁目、『七番蔵』は同じく南二条西四丁目。至近の一角に昨年亡くなった母の書による酒亭の看板がふたつ。街に静かに挨拶している。

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