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2021-04

血族。

ふさとふみ

四月四日の母の一周忌法要まで、二日三日はかなり忙しいスケジュールだった。

まず、東京府中市の施設に入所している母の上の上の姉を訪問する。母より十歳年上なので、今年八十七歳になるはずだ。昨年母の四十九日で上京したおりには、僕の口から彼女に妹の死を伝えた。つらい役目だった。

結婚式

三男四女の末っ子である母は十歳になる以前に両親を亡くし、長兄が親代わりに皆を育ててくれた。七人のうち現在存命しているのはわずか二名。この府中の姉と母との間のもう一人の姉は、昨年四十九日に足を運んでくれた人だ。けれどつい先日ご主人が脳血栓で倒れ、今も集中治療室で加療しているため、今年は妹の一周忌に参列することができない。

帰りしな、府中在住で僕の古巣の広告代理店の先輩にして、一昨年退職された女性と食事をする。こちらも母上の介護の生活を送っておられる。


さて、今も僕の本籍地である父の実家は東京都渋谷区広尾で、群馬県から十代で単身上京した祖父はこの地でお茶屋を開業した。現在の“お茶と海苔の「星野園」”の看板の文字は書家だった母によるものである。

星野園を訪れた後、広尾からほど近い、三月十八日で九十五歳になった祖母が世話になっている施設を訪問。僕の父は四男二女の長兄で、僕は初孫であり、祖母には格別に可愛がってもらった。この人にもしものことがあった時、僕は両親のときよりも悲しむに違いない。

祖母

僕が十歳にも満たない頃、この祖母に東京タワーの蝋人形館に連れて行ってもらった。帰り道、何が食べたいかと聞かれて、僕は鰻と答えた。小さい癖に鰻好きとはと感心した祖母が注文してくれたのは特上の『中割れ』だった。

ご馳走するのが大好きだった祖母は、腹を痛めた子供たちのことすら判然としなくなった今でも、見舞いに来た僕らに、今晩はどこで何を食べようかと気にかける。祖母は九十を越えてもつい数年まではカクシャクとしており、僕が四十半ばを過ぎてからもお年玉や小遣いを渡そうとした。

窓外に櫻が見える夕暮れの施設。どこかに連れて行ってくれと懇願する祖母に、今度来た時には東京タワーに行こうと僕は約束した。
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