弘明寺の櫻。

四月三日。
前述の重たい用事もこなしつつ、両親の墓のある三浦方面に南下する途上、昨年、母の納骨前日にわざわざ三崎港の旅館まで母を追悼しに足を運んでくれた友人たちと合流した。

中学三年の六月から金沢文庫、最後の実家はその先横須賀の福祉大学前だったので、京浜急行は長年利用していた。けれど、弘明寺駅に下りるのは初めてで、当然、高名な弘明寺の櫻を列車以外から眺めるのも初めてのことだった。

観音様にお参りしてから、にぎわう商店街で酒と酒肴を仕入れると、大岡川に突き当たった。ホッピー仙人前の櫻並木から、同じ川伝いに上流にたどり着いたことになる。


川沿いの凄まじい人ごみから水際に下りる階段を見つけ、場所を定めて腰を下ろす。こいつらともずいぶん杯を交わし、花も愛でたけれど、年々言葉遣いは軽みを帯び、そこに込める思いは比重を増しているような気がする。ワルぶる奴ほどセンチな野郎どもなのだ。


楽しみを切り上げるのがヘタクソな僕だけれど、親戚が待っているので、ふたたび弘明寺の駅に向かい、三崎口を目指す。

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