時代遅れの浜辺。

ウチから一番近い海水浴場もスキー場も、車でほぼ五分の所にある。
少し足を伸ばせば、湘南となぞらえられ?流行りの若者が押し寄せるドリームビーチなるスポットもあるらしい。でも来年で道民生活20周年を向かえようというのにいまだに行ったことがない。

札幌を東京のような都会、という見方をしてしまうと物足りない。それと同様、訪ねるまでもなくドリームビーチは湘南足り得ないと確信する元湘南ボーイの僕がいる。それよりも海に関しては、こちらに来てから師事した師匠たちの薫陶によって、その素晴らしさは砂浜ではなく、素潜りして獲物と対峙出来る岩場にこそあると洗脳されたゆえ、砂浜は海の選択肢からはなから外れてしまうのだ。

必然、ため息をつきたくなるような積丹ブルーの透明度の高い岩ゴツゴツの海の得点が高くなる。ただ、海水浴もスキーも気張って行くものだった湘南ボーイとしては、自然体のスキー、普段着の海水浴という価値観も同時に生まれたのである。

ようやく話は戻って、普段着の筆頭が冒頭の通り、車で五分の東小樽海水浴場である。ここはもう、普段着を超えてアナクロ的と言っても過言じゃない。アジアの片隅、って感じなのだ。砂浜でもなく岩場でもないのが中道とも言える。


面積の少ない布地の水着を身につけた年頃の女子は皆無。
それどころかどこでも見たことのない、こんな方が活躍している。
クラブやスナックの接客が苦手な僕としては、この浜はホステスさんのいない気軽な居酒屋だ。

数分ごとに列車の通過音と勇姿を拝めるに至っては、ガード下の焼鳥屋を彷彿させる。


海の家の場末感は(失礼!でも愛してるのだ!)ただ事ではない。


今回はどこを贔屓にしようか、毎度迷ってしまう。

ときどき無性に訪れたくなる、時代遅れの浜辺なのだ。

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