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2021-04

「大衆酒場もーり」その後。

もーり店主


昨年12月9日付けのブログに、神奈川県の横須賀中央にある「大衆酒場もーり」の廃業について記した。 http://kazenoiro.asablo.jp/blog/2011/12/09/6237672

横須賀のマンションに独り住まいしていた亡母が2007年盆に発病したおり、小樽から出向いて病院をあたり、嫌がる母に診察を受けさせ、あれよの入院の挙げ句に今度は退院を迫る病院との交渉を続け、小樽市の施設を探し…。11月末の退院と小樽への移送、その後の役所の膨大な手続きから、2008年3月末にマンション売却が整うまでの約7ヶ月、僕は小樽と横須賀を20往復した。

病院のほど近くに「もーり」という大衆酒場があった。
朝9時から午後11時まで年中無休で営業しているその店に、僕は何度通ったことだろう。なんせどんな時間帯に病院に出向いても、通り道のその店は常に営業しているのだ。

つらい宣告を受けた直後も、言葉少ななスキンヘッドの店主との静かな交流が僕をどれだけ支えてくれたことか。

朝に昼に夕に、僕はもーりののれんをくぐった。

すべてが一段落して店主に暇乞いしたとき、
「あんたのことは間違いなく忘れないから…」
と言ってくれたのが嬉しくて、昨年11月に沿線三浦海岸の両親の墓参りの帰りに久々に立ち寄ったらもーりはなくなっていた。

冒頭のブログとフェイスブックで「消息をご存知の方がいれば」と呼びかけたところ、クリスマスイブに店主にごく近しい方から連絡をいただいた。今日まで報告出来なかったのは、ブログ等にどこまで書いていいか、その方を通じご本人の了承を得るのに時間がかかったからだ。昨晩遅く一番新しいメールをいただいた。

店主は健在だった。

年中無休、午前9時から午後11時までの営業をかたくなに貫いて40年近く、気力と体力のバランスが崩れ始めていた昨春、あの天災が起きた。深く関わっていた地元の祭りも中止になって、張りつめた糸が切れたように、先代と合わせると70年続いたもーりの歴史にピリオドを打った。昨年5月9日だったという。

消息を教えてくれた人が僕の書いたことを伝えようとすると、店主はすぐに僕との経緯を話し始めたという。僕には再会したい気持ちが強かったけれど、そうした思いを最大限に感謝してくれた上で、店主と客の関係で終わりましょう、と伝えて来た。

残念さよりも、最悪の事態まで想像したけど元気でいてくれたこと、約束通り僕のことを覚えていてくれたこと、これぞ飲食業のプロという言葉への敬意が軽く勝って、それ以上のお願いはしなかった。

だから、僕の中でもーりは永遠になった。


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