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2020-07

嵐の後_Kさんのこと。

嵐の後

この三年で、Kさんは三回小樽(札幌)に来てくれた。

最初は三年前、自宅で執り行った母の通夜の際。
横須賀の病院から、自宅にも寄れず、小樽の僕も家すら経由できずに小樽の施設に入り、そこで逝ってしまった母に、こちらの知り合いは皆無だった。

読経が終わって振り返ると、思いがけず大勢見送りに来てくれた北海道での仕事関係者に混ざって、僕から一番遠い台所の壁を背にして、いるはずのない東京の友人であるKさんの顔が見えた。

「何度も話を聞いていたのに何もしてやれなかったから、せめて線香をあげにきたよ」

静かに献杯して、翌朝一番六時の列車に乗って新宿御苑の店を開けるために帰って行った。

二年前は、僕が企画した吉田類さんの講演会&トークショーを札幌共済ホールで開催したとき。

前の日に来てくれたKさんとイベント当日の朝まで飲んだ。ひさびさに僕が頑張ってる姿を見るだけのために駆け付けてくれた。六百人の聴衆を前に僕が司会進行まで務めていたのに驚いて、

「あんな大役と知っていたら、朝までなんてつき合わせなかったのに…」とやたら恐縮していた。

そして昨晩。
風雪でたくさん欠航したにもかかわらず、東京からの便に奇跡的に乗れたKさんと会えたのは、午後六時過ぎの小樽駅。

大好きな酒場、小樽花園の中島さんの「樽」を出たのは午前一時。それから僕の家で続きを。今回はまたしても岐路を迎えている僕の顔を見るだけのために来てくれた。

Kさんは母の仏壇の場所を尋ね、その前に座って手を合わせ、線香をあげた。三年前の情景が想い出されてKさんの背中がじゅっと滲んだ。それから、二年前と三年前の来訪の話になった。

べたべたをきらう彼に、僕なりにさらりと、でも万感の思いを込めて礼を言う。少し間があって、小さな声でKさんが言った。

「◎◎(Kさんの名字)は、大切なものには、礼を尽くすよ」


Kさんは、今朝早く新千歳に向かった。
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モンゴル行の友。

友達とはいえ、ときどき手を合わせたくなります。

涙がじゅわんと
にじんできます


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