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2020-02

東京からの便り。

舎人櫻花火2

東京の開花と時を同じくして、東京の大学からの長い女ともだちから失恋の便りが届いた。先週誕生日を迎えたばかりの、ふたつ年下の、でも同級生である。
人の声を聴いた途端に受話器の向こうで声を潤ませやがって、ゴメンとか、声が聴きたかったとか、ありがとうとか、千々に乱れている。

その昔、彼女の結婚式の前夜、明日は新婦となるはずの彼女から電話がかかって来て、「明日はダスティン・ホフマンになってね」と言われた。もちろん映画「卒業」のベンのことを言っているのであって、さしづめ自分はエレンの役どころという意味だったんだろう。

翌日の神田教会のバージンロードで大勢の親族友人たちが見守る中、僕たちは人知れず目を見合わせてニヤリとしたけれど、僕は別段暴れたりしなかったので、エレンは映画の結末とは裏腹に無事嫁に行った。ただ彼女はその結婚にも次の結婚にも破れ、現在は立派に悪女に成長した娘と二人暮らしをしているらしい。

亡くなった大塚博堂さんに名曲「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」というのがあった。一応お断りしておくと、僕たちはお付き合いしたこともないし、だから僕は「なれなかった」訳ではない。そうした言葉遊びを理解し合える意味においては男女を超えた仲良しだったかもしれないけれど。昨年東京で二十数年ぶりに会った時、彼女の現在進行形の道ならぬ恋を聞いてはいたけどね。

舎人櫻花火

なので僕は、想像を超えた彼女の悲しみぶりを、特段慰める訳でもなく黙って聞いていた。
ふと、昨年の四月六日に、彼女をよく知っているテラオやタケさんと一緒に眺めた足立区の舎人公園の櫻が浮かび、あのときの花火がふたたび僕の中で打ち上がった。

今年の四月六日も舎人公園で櫻と花火の催しがあるけれど、東京の櫻はそれまで持たないだろう。
でも多分その日に僕は彼らと酒を飲み、おそらく僕は彼女のことは話さないと思う。

彼女の嘆きがひとしきり収まった頃、四月六日まで東京の櫻を持たせて欲しい。と僕は頼んだ。
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